2014年4月8日火曜日

硬券入場券再評価!

2014年4月1日より、消費税が8%になりました。それにともなって鉄道運賃も値上がりしたところがほとんどです。
切符の収集家としては、この運賃変更によって切符にどんな変化が起きるのかを戦々恐々と見守っています。硬券ですとか軟券などは合理化やコスト削減という名目で無くなっていく傾向にありますので。
ところが、一部鉄道では券売機の更新が出来なくて、代わりに全部硬券にしちゃった!(阿佐海岸鉄道)なんてところも出てきましたし、詳しくは後でも書きますが、今まで軟券だったけどついでだから硬券にしちゃった! とか、今まで設置してなかったけどついでだから硬券置くことにしちゃった! なんてケースが続々出てきたのです。
加えて、往復割引制度なども生まれ、切符の世界はてんやわんやするほどに「おもしろい変化」がたくさん起きたのです。

そんな最中、ふと思いました。硬券入場券収集を今一度新しい気持ちで始めるチャンスじゃないかなあと。

私の切符収集は、昭和55年5月5日の5並びの日に甲府駅でスタートしました。まさかその頃は40歳を超えるまで継続して切符にまみれた生活を送るようになるとはまったく思っていませんでしたが。

硬券を懐かしいとか、もうほとんど無いと思っている人はたくさんいます。
けれど、こと入場券に限って言えば、日本中で700を超える駅で未だに現役です。
そりゃあ国鉄時代ほとんどの駅で売られていた時代を考えれば大幅に減っていますし、地方ローカル線沿線に住んででもいない限りは日常的に使うことは確かにほとんどありません。
でも、700。一年がっつり掛かりっきりになっても全部集めるのは結構難しいと思います。限られた時間にしか営業していない駅もありますし、窓口が開いている時間も短いとかそんなことはザラですしね。

乗車券ももちろんおもしろいですけれど、ここはひとつ、入場券に絞って、硬券入場券というものを再評価してみようじゃないか、というココロミです。おおげさですね。

さて。
入場券とは言うまでもありませんが、駅に入場するために使う切符です。ですので、その駅の名前が大きく入っています。そこが収集家としては嬉しいポイントの一つです。また、基本的に最短区間の運賃と一緒ですので、高くても210円ぐらいまでで買うことができます。
鉄道会社も入場券は記念に買っていく人が多いということを認識しています。なのであえて硬券で設置しているというケースももちろんあります。増収になりますものね。

集め方としては、発売している駅に赴いて、窓口で入場券ください(硬券って言わないと機械券が出る会社もあります)と言えばいいだけ。道の駅の記念きっぷなんかですと無日付で買う人も多いようですが、鉄道の場合有価証券ですので日付を入れるのは規則です。ハサミを入れるかどうかは尋ねてくれることが多いですので、そこは自分で決めましょう。
昔はね、日付を入れるのに専用の機械がありました。マニアの人が「ダッチング」と言ってるのがそれです。「dating」がいつの間にかなまったのでしょうか。
残念なことにダッチングの機械はもう作られていません。菅沼とか天虎と呼ばれるメーカーが著名ですが、どちらも撤退してしまいました。まさかこんなに長く使われるものになるとは思ってなかったのでしょうか。今から再参入してもやっていけるような気がしますが……。マニアにもばんばん売ってさ(日付偽造とかの心配はあるかもしれませんが)。
なのでゴム印で日付を入れるところが多いです。最近はダッチングの活字に似せたゴム印なんてのまであるんだよ。手が込んでるよね。

私が住んでいる千葉県は、なぜか硬券入場券を売っている駅が結構たくさんあります。最近の変化をちょっとまとめてみましょう。

小湊鉄道では、上総村上、海士有木、上総山田、馬立と駅の無人化が続いていたのですが、逆に無人だった里見の窓口が復活しています。タイムカプセルが開いたように無人化前の硬券などが復活したりしたのですが、もちろん入場券もあります。

流鉄は、以前の社名「総武流山電鉄」時代には社紋の入った入場券を売っていましたが、新社名になり、現在は「(流鉄)」と入ったシンプルな入場券が売られています。

山万という不動産ディベロッパーが運営している新交通でも突如、硬券入場券が発売になりました。有人駅である「ユーカリが丘」と「公園」の各駅で買うことができます。

千葉モノレールには以前から千葉駅にのみ硬券入場券がありました。2014年の消費税率アップにともなって、デザインをリニューアルするとともに、千葉みなと、スポーツセンター、都賀、千城台の各駅でも入場券を発売するようになりました。

そして、東葉高速鉄道は以前から入場券のみ窓口で軟券を発売していましたが、これも消費税率アップのタイミングで、硬券に切り替わりました。これが一番驚いたなあ。

千葉県以外ですと、叡山電鉄ですとか、東京臨海高速鉄道が硬券入場券を新規に発売開始した、というのが収集家のあいだで話題でした。りんかい線なんて、発売から3年ほどで3種類以上のデザイン変更が行われていて、定期的に確認しないと見落とすという、まんまと策略にはまってるような気もいたします。

消費税率アップで、最大硬券入場券発売会社の近鉄はお値段据え置きでしたが、二番手である名鉄は値上がりし、各駅で新券が出ているようです。
JR北海道も大口ですね。ちらほらと新券の話題を聞きます(5月になくなってしまう湯ノ岱駅にも170円券が登場しています。たいへん!)。
再評価どころか、最前線で熱い展開が繰り広げられていて、情報収集と実際に出かけて収集する二本柱で身体が熱くなりますよ。