2010年12月28日火曜日

道の駅マグネット

まずは、画像をご覧くださいませ。


水曜どうでしょうファンにはおなじみでしょうか。北海道の「カントリーサイン」ですね。自治体の境界線に建っている標識です。それぞれにこのような綺麗な図柄が描かれていて、止まって写真を撮っている人もよく見かけます。
もちろん北海道だけじゃなくて、全国的にこうした試みは行われています。けど、カントリーサインという言葉で明確に呼称しているのは北海道だけかな?

で、これは、そうやって撮った写真……ではなく、マグネットになったものです。裏側は黒くて、冷蔵庫などにぺたんと貼りつけられます。
こうしたカントリーサインマグネットは、各道の駅にて販売されています。一つ250円。その道の駅がある自治体のものしか売られていませんので、全自治体のものがあるわけでは無いのです。
後述する道プレラリーの賞品として、道の駅が無い自治体のカントリーサインマグネットも作られたことがありますが、全部は出揃って無いはず。


平成の大合併により、自治体も改廃が進みました。北海道ではさほど多くは無かったとはいえ、いくつかの自治体が変更になっています。例えばこの白滝村は、現在では遠軽町になりました。
そのままマボロシのグッズになるかなと思いきや、今でも旧自治体シリーズとして発売されています。

こういう試み、是非他の都道府県でもやって欲しいものです。

さて、北海道の道の駅では、他にも色々なマグネットを発売しています。


おそらく一番売れているのが、この、「道プレ」です。なにせ一枚100円という安さが魅力です。さらにはパッケージに貼られているシールを集めて応募する「道プレラリー」なるものも開催されています。先ほど述べた「道の駅の無い自治体のカントリーサイン」が賞品になったこともあります。今でもそうなのかな? 実は応募したことは無いので、詳しくは知りません。


もちろんこれも自治体名が入っていますので、大合併で変更になったものもあります。こちらは新自治体に切り替わった形で旧のものは売られていません。


次に、こんな道の駅の駅名標マグネットも過去にはありました。現在では見かけないんですが、販売終了しちゃったのかな。私は割と好きだったので、全部集めないうちに終わってしまったとしたら、残念です。


さらに、こんな道路標識型のマグネットもあります。北海道でも全道の駅にあるわけではなく、行ってあったらラッキーと買う感じでしょうか。ひと駅で複数のデザインのものがあったりします。

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この道路標識型マグネットは、北海道だけでなく、全国に進出しています。これにも種類があるので、ちょっと整理しつつご紹介。


北海道のものより一回り小さいものが、埼玉県の、道の駅「龍勢会館」と「両神温泉薬師の湯」で発売されています。発売記念のきっぷも出されましたが、相互に行き先として表示しており、近隣駅同士のコラボとして注目されました。

これと同じものを最近、九州の「あさじ」でも発見。もしかして、他にも発売駅あるんでしょうか。気になります。


そして、現在九州を中心に勢力を伸ばしているのが、このタイプ。
北海道のものとよく似ていますが、分厚く、印刷がちょっとぼやけた感じ。お値段も380円です。


ここに紹介したもの以外の発売駅も、複数確認しています。関東での発見報告もあって、気になるところです。

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同じ会社が、同じく道の駅の名称が入ったストラップを発売しています。ストラップだけあって、マグネットが無いという道の駅もあるようです。
まあね。だって、マグネットって、正直「使えない」ものですもの。そりゃ、冷蔵庫にメモを止めたりするのには便利かもしれませんが、基本的には「集める」ことがその大きな役割です。
道の駅の記念きっぷもそうですが、何かの役に立ったり、便利なグッズだったりではなく、純粋に集めることが目的のグッズが存在します。昔あった、ペナントやちょうちんがそうでしたよね。記念メダルなんかもその仲間かな。

もしかしたら、道の駅の中には「役に立たないものは売らない(売れない)」と思ってるところがあるかもしれません。
私は逆だと思います。役に立たないからこそ買う。集める。そして、そうしたものは、一つ持ってても楽しくありませんので、集めて回ります。ひと駅だけではなく、複数の駅で買う。収集仲間のために複数買うかもしれない。
スタンプラリーだけだったら売上に繋がらないこともあるけれど、こうしたグッズがあれば、いくばくかのお金を道の駅に落としますので、相互に嬉しい。

統一感のある役に立たないグッズを集めたいと思う人種は全国に必ず一定数存在します。地元産の野菜や農産物は旅先ではなかなか買えませんが、こうしたグッズならばたくさん買ってもかさばりませんし、お土産に買ってきてもらうにも頼みやすいのです。

何が言いたいかといえば、こういう企画は大歓迎です。できれば一つでも多くの道の駅が発売してくれることを願っています。

私、北海道だと、きっぷを買い、マグネットを各種買い、とやってるので、ひと駅で1,000円くらい落としてます。多分、そういうの私だけじゃない。長い目で見ずとも、大きな収入源だと思うんですが。

2010年10月21日木曜日

カードの魔力にあらがえない【2】コロカ編

コロプラ、やってますか? もう今や大ブームと言ってもいいんじゃないかな。携帯電話でできる位置登録ゲーム。
位置ゲーの定義とか、コロプラの面白さなんて話をし始めると、キリがないので、ここではバッサリ切り捨てます。
コロプラのリアルグッズである「コロカ」について、コレクタ的な視点から語ってみようかなと思います。

コロカとは、全国の提携店舗にてお買い物をするともらえるカードです。紙ではなくプラスティック。デザインももちろん店舗ごとに違うし、ちゃんと手にして嬉しい「カード」に仕上がっています。
提携店舗は日本全国の厳選された「良いものを売る店」。ですので、行って、買って間違いはありません。
購入した金額によって、青、銀、金と三種類のカードがあります。すごい人はこの三種類をしっかり集めています。
が、私は、お財布の中身に自信がありません。ので、1,000円のお買い物でもらえる青カードのみを基本的に収集しています。
裏面のコードをゲーム内で入力すると、ゲーム内でのバーチャルお土産も買えます。実はこの瞬間に、いくらのお買い物をどの店でしましたね?という情報が、コロプラ社で把握できるわけ。そして店舗にキックバックの請求が行くという見事なモデルです。全員がハッピーになる仕組みなんてそうそう作れないのに、本当にすごい。
さておき、コロカの提携店舗も順調に増加し、目標は200だそうです。各都道府県に4店ずつ。47×4は、188店。残りの12店は、「離島枠」だそうで。現在ラインナップに含まれているのは、伊豆大島だけ。最終的に小笠原とかもあり得るのかな。ソフトバンクつながらないって話だから、そこらへんどうなるんだろう。
そうそう、すでに一店。提携から脱退したお店もありますね。こういうことは遅かれ早かれ発生しえた話です。残念ですけれど、そこは仕方なし。コレクタからすれば、このお店のカードは是非抑えておきたいですよね。しかし、ものが「大漁旗」だっただけに収集できた方はそんなに多く無いかな。

コロカは、提携店舗での買い物以外にも、イベント連動型や、ツアー連動型があります。2009年最初に行われたイベント連動は、JR九州とのコラボでした。フリーきっぷを買うとカードがもらえるというもので、このフリーきっぷにも3種類があり、もちろんカードも3種類ありました。九州全体のフリーきっぷですので、お安くはありません。乗らなきゃソンな金額(乗り歩くためには安い)でしたので、私、お友達と休暇を利用して乗りに行きましたとも。

同様なイベントとして、終わったばかりですが、東京メトロのフリーきっぷもありました。これはフリーきっぷそのものがコロカという扱いで、ちょっと独特かも。サイズも通常コロカよりやや太めです(つまり、交通関係カードよりコロカは、ややスリムなのです)。

2010年に入り、花いっぱいイベントとして、一気に全国の鉄道会社とのコラボが始まりました。JR九州二回目、JR北海道、JR四国。名鉄、東北のローカル私鉄各社、フェリー2社。もともと鉄道切符の収集家でもある私は、この手のコラボには大変弱い。もうさっそく東北に行って買ってきました。おかげさまで、とある鉄道では、シリアルナンバー2番をいただきました。いひひ。


そうそう、イベントとはちょっと違うけれど、メトロと関連して、後楽園駅にて発売されたクッキーにコロカがつく、という試みもありました。ところが、爆発的売れ行きに対処できず、あっという間に売り切れ。……私も自力できなかった。悔しいです。用意した数が少なすぎです。5倍多くてもよかったぐらい。まあ、でも、需要を読むのって難しいですよね。

コロ旅というツアー連動型のカードもあります。ツアー参加記念カード。私はご存知のとおり、一人であちこちどこへでも行ってしまいます。なので、やや制限の多いツアーは正直苦手です。……ああ、コロ旅関連のカードは無理かなあ。ツアー参加カードはダメでも、都道府県カードはなんとかならないかなーなんて、コロ旅のページを見てはため息をついておりました。ふと気づけば、宿泊プランに、コロカがついてくるなんてものが増えているではありませんか。高級ホテルばっかりだと思ってた私。出張族でもあるので、全国各地、チャンスはきっといつかめぐってくる……、なんて思ってた矢先に和歌山出張が。しかも大阪のど真ん中にある会社さんと同行するという話で、それじゃ、大阪市内のコロカ提携ホテルが使えるじゃん! とばかりに、まずはモノは試してみることに。
普段は楽天なんだけど、じゃらんに登録して、コロカで検索。出てきたホテルの場所とお値段を検討して、ほい申し込み。これで、当日フロントでコロカがもらえるわけですね。簡単簡単。
ただ、まだ全国各地というわけでもないので、これが広がってくれると嬉しいなあ。

まもなく花いっぱいキャンペーンの次のターゲットが発表になるでしょう。近畿地方のどこが対象になるやら、今からワクワクどきどきしながら待つのでございます。

2010年10月15日金曜日

カードの魔力にあらがえない【1】スタバカード編

プロ野球カードだとか、サッカーカードだとか。マジックザギャザリングだとか、遊戯王カードだとか。
テレホンカードだとか、オレンジカードだとか。
カードはコレクションの、いち王道ですよね。でも、スポーツさっぱり苦手、集めたカードでゲームをするつもりはない、そして、「そんなに電話しないしなあ」という理由でテレカブームに背を向けてしまったワタクシ。残るはオレンジカードなどの交通関係カードかな?
でも、これも全国各地津々浦々いろんな会社がいろんなデザインで出してて、もうどうやったって追いつかない。
ならばどうするか。まだあまり集めている人の少ないものに目をつけてみましょう。

そういえば、うちの近所に最近、スタバがオープンしました。スターバックスコーヒー。注文がめんどくさ……豊富なメニューが用意されているオシャレコーヒーショップです。私、多分、最短キーワードの「ソイラテ、トールで」という呪文でさえ、噛んだことがあります。緊張するんだよ、あのカウンター。
さておき、そんなスターバックスに、「スタバカード」なるものが存在します。ギフトにも使えるプリペイドカード。チャージして積み上げることもできる便利カードです。電子マネーではないので、デポジットは要りません。ただ、最初は1,000円以上で購入します。
1,000円分コーヒー飲んだら、手元にカードはまるまるただで残ります。これはよいですね。
とはいえ、すでにカードのデザインは頻繁に変わり、全世界(そうだった!!)にコレクタがいます。今売ってるものから集めるというのもいいけれど、もうちょっと他に無いものかな……なんて思ってた矢先に、「ご当地スタバカード」なるものがリリースされたことをお友達から聞きました。
東京、横浜、名古屋、京都、大阪、那覇の6種類。那覇が難関だけど、年に一度くらいは行くチャンスもあるだろうし、お友達の誰かがきっと行くでしょう。なんて甘い考えで集め始めてみました。
ところが、東京のカードがそうそうに売り切れてしまったりして、思ったよりも一筋縄では行かぬようです。



自力にて、私、半分の3枚を収集したところ。これじゃまだコレクションだなんて言えません。通常カードも買ってみようかなーなんて思い始めると、もうすっかりスタバの手のひらの上にいることになります。危ないあぶない。

2010年10月5日火曜日

岡山電気軌道のまぼろしの駅

臨時駅とか、仮乗降場とか、聞くとわくわくしませんか。私はします。超します。
北海道の仮乗降場全盛期には、残念ながら間に合いませんでした。今でも残っている板切れだけの駅はなるべく訪問するようにして、気持ちを慰めてはいますけれど、むかしむかしは、さらに「中間線路班」なんてのもあって旅客の便宜をはかったこともある……なんて聞くと、みたかった~としみじみ思います。

今でも全国には臨時駅はいくつか残っています。どの駅も佇まいが独特で、好きです。
会津鉄道では、六地蔵尊臨時駅を昨年、今年と開設しました(今年の名称は「一ノ堰六地蔵尊」駅)。行きそびれてしまいましたが、こういう「幻の駅」って、いいですよね……(ため息)。

ところが、良い子にしていたご褒美なのか(うそ)、偶然にも私、幻の臨時駅に降り立つことができたんです。ええ、ついこないだ。

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10月3日日曜日。
岡山市内のホテルを朝早く出て、ハレカカードを片手に、岡山電気軌道を乗り歩きます。全線でもわずか5キロ程度しかないので、元気があったら、全駅写真撮れるかもーなんて思ってたのですが、天気があいにくよくありません。
まずは、岡山駅前から清輝橋駅に向かいます。運転士さん、女性です。あまりにもあっけなく終点に到着。電車の写真などを撮ります。

また、同じ電車で折り返し、柳川電停で乗り換えます。今度は東山線へ。乗客はさほど多くありません。無事座れてほっとしていたら、運転士さんが何か放送しています。実はあまりよく聞き取れなかったんです。でも、臨時、とか、停車、とか、聞こえます。なんだ??

電車は順調に進み、西大寺町を過ぎて、大きな橋を渡ろうとしたとき、電車は電停じゃないところで停まりました。そして、ドアを開けます。降りていく人が何人かいました。
ふと見れば、橋のたもとから川沿いにかけて、大規模な朝市が開催されていました。
ここで、思い出します。そういえば、岡山電気軌道には、朝市の日だけ開設される臨時駅がある、という話を。

あわてて周囲を見渡しますが、駅名らしき「京橋」が書かれた看板は見つかりません。けど、路面電車の駅なんて、ホームも看板も無いケース、いくらでもありますものね。

しかしこれはラッキーです。まずは東山まで行き、帰りにここで降りてみようと決めます。

電車は発車。朝市はかなり盛況。なるほど、これは多くの人が訪れるでしょう。橋を渡り終えて、小橋、中納言とホームの無い駅を二つ過ぎます。路面に緑色の枠があるだけ。しかも両駅のあいだは、100mほどしかありません。これも帰りに撮ろう。
というわけで、まずは東山まで乗り、完乗。


興奮したのか元気だったので、歩いて線路沿いを戻ります。門田屋敷駅を撮り、ちょっとコンビニに寄ってから、中納言駅を撮ります。とはいえ、路面の緑色を撮っただけですが。何も知らない人が見たら、単なる町並の写真であり、駅には見えません。
少し先の信号には、もう小橋駅がみえています。すごく近い。けど、私はすでに、土佐電気鉄道の一条橋駅と清和学園前駅の近さを知ってしまっています。デジカメの動画機能が30秒しかないのに、走って間に合うぐらい近くて。何度も往復しちゃった。あそこにはちょっと及ばないけれど、これもまた岡山電気のおもしろさの一つでもあります。



さて、さっきの京橋臨時駅で降りるには、小橋から乗らないといけません。路面からステップも何もない電車にえいやっと乗り込みます。そしてすぐに前方に向かいます。
今度は運転士さんのアナウンスがはっきり聞こえました。「本日朝市開催のため、京橋臨時電停を開設しています。」
というわけで、橋を渡るだけですぐに降ります。降りるとき路面をよく見たら、黄色の枠がついてます。これが駅か!


誘導員の方がいらっしゃってイベントらしい感じ。でも、駅らしさは……無いかな。看板も無いよなあ、と思って少し離れてみたら……ある!あるじゃないですか!


もう私、この一枚が撮れただけで超満足です。いひひ~

帰りももちろんここから乗ります。乗ろうと待っていたら、係員のおじさんが私に、三角形の紙片をくださいました。
岡山電気の運賃からすると、ここから駅まで乗れば140円です。でも、この紙片があれば、100円になるよ、ということ。

この紙片はどうやら、チラシとして配布されたものの隅っこに印刷されてたもののようです。地元の方なら、あらかじめ切り取って持参できたわけですね。なので、この紙片が貴重なもの、というわけではありませんが、私のようなものからすれば大事な記念です。

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さて、その日の晩、この電停について調べてみました。まだ出先でしたのでネットを中心に。

私はこの朝市、毎月第一日曜日にやってるのかな、なんて漠然と思ってました。月一のラッキーぐらいに。ところが、電停の開設は、毎年5月と10月の朝市に限る……らしいということがわかりました。!? 年に二日!? 
うわー、津島ノ宮や、六地蔵尊と同じとは。しかも、こちらは午前中だけ、という話なので、もっと短い? にほんいち?

この電停について詳しい情報は、それ以上見つけることはできませんでした。wikipediaの臨時駅の項目からも落ちています。
帰宅してから日本鉄道旅行地図帳で調べましたら、平成7年に開設された、ということはわかったのですが、休止、という扱いになっていました。うーん、ますます謎です。
じゃ、私はなんでこの電停のことをちらりとはいえ知ってたのかな、と本をいろいろひっくり返して思い出しました。
原口隆行著 JTBキャンブックス「日本の路面電車I」でした。ここに朝市のときだけ開設されるという話がちらっと載ってたんですね。ああ、ちょっとすっきりした。
ともあれ! 現在も盛業中です。全駅訪問を企む人にとっては、ハードル高いかもしれませんが、なかなか味わい深いので、ぜひチャレンジしてみてくださいませ。

2010年9月14日火曜日

まちの駅の硬券入場券

道の駅にきっぷがある。という話はもうみなさんご存知ですよね。私の周りにもすごいコレクタさんがたくさんおります。
そう、そのくらいコレクタが育つほどに多様化し、裾野も広がっています。この話はまたいずれ詳しくしますね。

じゃあ、まちの駅にも切符がある。という話は? んふふ~。実は全国に今のところ二例だけあるんです。

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静岡県富士市。富士山の麓にあるパルプなどの製造で有名な都市です。甲府出身の私としては、身延線の終点(本当は起点だけど)というイメージが大きいです。未だに。
この富士市には、2010年現在、まちの駅が、57駅存在します。


これは54駅時代のマップ。よくできています。

そもそもまちの駅ってなんじゃい、ですよね。私も富士市の取り組みを見るまではさっぱりわかっていませんでした。
道の駅は、分かりやすいですよね。駐車場があって、売店などの商業施設があり、24時間使えるトイレがある。ドライバーにとっても便利な「たまり」ですし、地元の人にしてみても産直に代表されるお店で、地域の自慢の品を売って、全国からやってくるお客さんに知ってもらう場所。
けれど、まちの駅って……? 一般的に、まちの駅として最初から建てられる施設はほとんどありません。既存の施設をまちの駅として認定して、ちょっとした休憩所だとか、道案内だとか、大げさではないサービスを提供する場所、です。だから、57駅あるといっても、一般の商店や飲食店、旅館がほとんどです。
全国にも数えきれないほどのまちの駅がありますが、富士市が特別だったのは、その各駅で硬券入場券を発売した、ということでした。

もちろん、まちの駅に入場するのに料金はかかりません。この切符は単なる記念品です。一枚100円で当初は限定100枚だったようですが、もしかして今は増刷されているのかな。
印刷は、実際の鉄道の硬券印刷も手がけている会社。様式も板紙も本物の切符の手触りです。マニアごころをよくわかっていますね。

こうした取り組みには、もちろん企画者さんがいらっしゃいます。私が収集に訪れたときには、ちょうど外出なさっててお話できなくて、残念。でも、機会があればまた行っておもしろい企画をありがとうございます、とお礼を言いたい気分は変わっていません。

2007年。最初に硬券入場券が発売になったとき、富士市のまちの駅は、50駅でした。その50駅すべてをトータル三日間かけてめぐりました。とある一軒だけは何度訪れても開いて無くて、結局他のまちの駅の方に代理で買っていただくという無理をお願いしてまで、なんとか50駅を完集しました。たぶん、私が一番最初だったはずです。だって、0001番の切符を何枚も持ってるもの。
その後2009年に5駅増え、1駅廃止となり、トータル54駅に。増えた駅分を買いに行って、無事王座を守りました(笑)

さらに2010年に3駅増えていますので、また行かなくちゃいけませんね。もう切符も設置されたのかな?

では、一気にどん。


ちょうどひと駅はみだしましたので、大きめに詳細をどん。
ね。よくできてるでしょ?

*

と、油断していたところに、カウンターパンチのような情報が。
なんとすぐ近くの、由比町(今の静岡市清水区由比地区)にあるまちの駅17駅でも同様に切符を売ってる、というお話です。
きゃー! それは行きたい! 行かねば! というわけで、2010年の夏のある日。ちょうど仕事で静岡市に向かう用事があったついでに回ってみることにしました。
富士市では立派なまちの駅マップが用意されていましたが、由比町のまちの駅にはあまり立派ではないマップがぺらっと一枚。なので、事前にあまり調べずに来ちゃった私は、店先のノボリだけを頼りにめぐりはじめました。
由比の町って、そんなに広くありません。そして、道は大変に狭いのです。これは車は置いて、自転車などでめぐるのがよいかもしれませんね。
目印例として、各駅の看板とノボリです。

まちの駅の切符収集の楽しさって、他には無いものがたくさんあるんです。まず、どんどん集まること。一軒で集めたら、すぐとなりがまたまちの駅だ、なんてよくあることです。だから、ちょっとした間に切符がたんまりたまっていきます。
そして、気さくな駅の方とのおしゃべりがまた楽しいんです。どこからきたのー? なんて会話から弾んだり、お土産にいろんなものをいただいたりすること、ざらです。嫌な思いをしたことは一度もありません。
というわけで、初日は何の調べも無くめぐって、約半分の駅で切符を集めることができました。あとは後日、マップを頼りにネットなどで少し調べてからめぐることにしましょう。

実はこのマップがちょっと違ってて、まちの駅じゃないところがまちの駅として書かれていたり、その逆があったり。なので、全然まちの駅と関係ないお店に入って「切符ください」って言って話が通じなくて恥ずかしい思いをした、ってのが唯一切ない思い出。
あとは営業時間がマップに書かれていないので、そこらへんの調節が難しかったこと。実は17時前後が一番効率的にめぐれるかもしれません。

というわけで、そのまた後日、一気に全部をまわり、ゆいまちの駅の切符も完集しました。わーい!ぱちぱち。


楽しかった! ぜひこういう取り組みは飛び火して全国でやって欲しいなと思います。ただ、できれば情報は欲しいです。まちの駅ポータルサイトみたいなところで情報公開をしていただけると、私、喜んで買いに行きますよ!

2010年9月13日月曜日

八栗ケーブル

ケーブルカーネタが続きます。
というより、私の中でケーブルカーブームが発生してしまったようです。なんてね。

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9月、たまたま徳島県で仕事があり、またそれが週末に近かったものですから、帰宅を日曜にずらして、四国をぶらり歩いてきました。

現在四国にあるケーブルカーは、八栗にある四国ケーブルのみです。数年前から屋島にあったケーブルカーは休止中。残っていれば割と近い距離にあったので、続けて乗ることもできたんですけれど。

さて、今ある八栗ケーブルは、琴電八栗駅からしばらく進んだところにあります。レンタカーで向かったのですけれど、駐車場がいっぱいだったらどうしようかな、なんて考えながら進みます。
結果から言えば杞憂でした。空いてた。真夏の暑い時期ですから、お遍路さんも少ない、ということなんでしょうか?


駐車場というか、八栗登山口駅の目の前に車を置き、振り返ればオレンジ色のレトロなケーブルカーが見えます。

ううっ、可愛い! 写真では見て知っていましたが、現物はまた一層可愛いです。切符売場に行きましたら、すぐに発車しますよーとのことでしたので、慌てて乗り込みます。
ケーブルカー特有の傾いた車両は、使い込まれていますが、とても綺麗。私以外に2人のお客さんと運転席に座ったスタッフの方で発車です。


女性の声の案内テープが流れ、すぐに御詠歌が流れはじめました。ちょっと聞き取れなかったのですが、弘法大師様に関する歌なんでしょうか。がたんごとんと揺れながらゆっくり急坂を登ります。晴れていたからそうでもありませんが、これが荒天時だったりすると、なんというか、こう、世界の端っこに向かって進むような印象を受けたかも。ちょっとSF的です。


中間地点で下ってきたケーブルカーとすれ違います。同じ車両ですが、向こうは青。鮮やかな色です。車両は、どちらも1968年製ですが、色は割と近年に塗り替えられたものです。
少しずつスピードが落ち、山上駅に到着です。ここから八栗寺の山門まではすぐです。私はまだ八十八ヵ所めぐりをやっておりませんので、お寺へは行きませんでした。いずれまた。


涼しい売店でしばし休憩。お寺から帰ってきたお遍路さんにはお茶のサービスもあります。ちなみに売店の店員さんは、先程ケーブルカーで登ってきたスタッフの方(ポジション的には運転士さん)です。
切符は、券売機ではなく手売りの軟券でしたので、片道券を記念に買います。同じように見える切符ですが、ハンコが違うだけじゃなく金額も違うんですね。
そうそう、記念スタンプも忘れずに。上も下も同じスタンプですが、インクの色が違います。


同じ車両で折り返します。今度車内に流れ始めたのは、シルクロードのテーマ。な、なんで!?
ま、どちらも長い旅に関する曲には違いありません。イメージは遠くないですが、ちょっと驚いた。

登山口駅に戻りまして、こちらでも切符を買います。というわけで、完乗~。駅前には開業40周年の記念碑なんかも建っていました。
そうそう、ここは残念ながら駅名標がありません。レトロなのがあったら最高だったんですけれど。



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せっかくですので、近くにあった、屋島ケーブルの痕跡を見に行きます。遠くから見る限り線路や山上駅はそのまま残っているようです。
琴電の屋島駅(名建築!)から緩やかな坂道を北上すると、ほどなく見えてきます。
現役当時より少しぼろくなったかなーぐらいで、まだそのまま残っています。ホームの中を覗き見ることはできませんが、かろうじて車両がまだあるなーというところまでは見えました。
あくまで「休止」と書いてありますが、復活は望めそうにありません。